第91回の例会は、2026年1月13日(火)対面+Zoomリモートのハイブリッドで開催し、対面で7名、オンラインで4名が参加しました。
第1報告は山形委員からの推薦で、ゲストスピーカーでお招きした神永剛氏 (914)で「極光(オーロラ)に魅せられて」の題目で発表していただきました。神永氏はDFでは技術部会・理科実験等で活躍されています。これまで十数年かけて世界各国でオーロラ観賞の旅を続けられており、今回はその集大成ともなる内容で、貴重な写真・動画と各地でのエピソード、そしてオーロラに関する専門的情報などを分かりやすく解説していただきました。まさにオーロラの特番のような盛りだくさんの興味深い内容で、参加者一同大変感動し、その後の質疑も活発でした。
第2報告は世話役の山本明男会員で、2024年8月に夫婦でカナダのイエローナイフでオーロラ観賞ツアーに参加したときの旅行記と、帰路にアラスカのホーマーという保養地に住む米国人知人を訪ねた時の旅の想い出を、「カナダ・イエローナイフとアラスカ小旅行」という題目で発表してもらいました。
今回より新入会員として鎌田敏行氏(1551)と古市健治氏(1487)の2名が加わり、簡単な自己紹介と本同好会への抱負などをお話いただきました。お二人とも仕事での海外出張と家族との海外旅行を楽しんでおられ、これから色々な情報交流ができそうです。またご夫婦で車と列車で欧州を駆け回られた江戸野勝行氏が、80才となることを境に本同好会から退会されました。これまでの楽しい旅行記報告・寄稿に感謝します。
例会後の懇親会は、新橋駅に至近のイタリアンレストランで昼食会を行い6名が参加しました。くつろいだ雰囲気で海外での体験談等を話し合うのも本同好会の楽しみです。
次回例会の発表者を募集中ですが、5月頃には開催したいと考えております。どうぞお楽しみに!
海外旅行研究同好会にご関心のある方は、是非、世話役の山本明男までご一報ください。
<問い合わせ先 a11389y@gmail.com 山本明男>
以下は、神永氏と山本会員の旅行記です。どうぞお楽しみください。
世話役 山本明男
(第1報告)「極光(オーロラ)に魅せられて」
神永 剛
夜空に広がり、降り注ぐオーロラは美しく、魅力的です。科学的説明がつく物理現象ですがそれを目の当たりにすると、昔から極地の人々が語り伝えてきた伝説の世界に引き込まれそうな気がします。10年余り前に友人に誘われて訪れたフィンランドで初めて見たオーロラの美しさ、神秘さは私を虜にしました。長らく趣味として風景写真を撮ってきましたが、それ以来オーロラの撮影が大きな位置を占めるようになりました。振り返ってみると、10年以上にわたり世界10か所以上で、20回以上オーロラを撮影してきましたが、興味が尽きることはありません。
私が参加している理科実験グループの「磁石」の実験教室で、地磁気に関連して子供たちにオーロラの話をする機会がありました。その時同席されていた本同好会会員でもある山形さんから「面白いので是非海外旅行同好会でも話をしてほしい」との依頼があり、今般お話しする機会につながりました。主要撮影地での思い出、エピソードも交えご報告したいと思います。
フィンランド サーリセルカ
2016年に友人に誘われ初めてオーロラ撮影をした思い出の地で、それ以来4回ほど行きました。いずれも2月で、北緯68°の北極圏のスキーリゾート地は寒い時には-30℃まで下がりました。そこまで下がると防寒ブーツを履いていても足の裏からジンジン冷えてきました。

現地で参加したオーロラ鑑賞ツアーでは、日本人のガイドがオーロラにまつわる話をしてくれたり、天気が思わしくない時は他のツアーのガイドと情報交換をしながら熱心にオーロラの見えそうなところを探してくれたのもいい思い出です。回を重ね撮影スポットが分かってからはタクシーをチャーターして一晩中オーロラを追いかけました。
カナダ イエローナイフ
カナダ中央部のオーロラ鑑賞の中心地で友人と7回ほど行っていますが、道路、トイレなど整備されいて、街を出ると人工の光もなくお気に入りの場所です。
気温と夜の長さのバランスを取って秋に行っていますが、この時期ですと雪も降らず安心して車で移動できます。夜の郊外は人気も少なく、写真を撮るのに最適でしたが、最近は中国人もレンタカーで繰り出すようになって光害を起こしてくれるのが悩みです。氷河で押しつぶされ、削られたこの地方は平たんですが、湖に映り込むオーロラはきれいです。私のお気に入りのポイントはランパートという小さな滝で、3回目にしてようやく滝にかかるオーロラを取ることが出来ました。

カナダ クルアニ湖
カナダ中央部のオーロラ鑑賞の中心地であるホワイトホースから西に足を延ばして数か所行きましたが、中でも思い出深いのはクルアニ湖です。

カナダの最高峰 Mt.Logan(5,959m)のあるクルアニ国立公園に隣接した山、氷河、湖と起伏に富んだ雄大な自然が魅力です。吹き寄せられた氷が岸辺に山をなし、全面結氷した湖の上に出たオーロラは圧巻です。湖のほとりのロッジで暖を取りながら待機して、誰かが「オーロラが出たぞ!」と叫ぶと一斉に飛び出して撮影にかかりました。 -20℃位まで下がりましたが、寒くなるとロッジで暖を取れるのは楽でした。
アラスカ フェアバンクス
樹氷(モンスター)にかかるオーロラ撮影を目当てに、3月の上弦の時を狙ってフェアバンクスに行きましたが、天気に恵まれずモンスターとオーロラは撮れませんでした。後半はフェアバンクスから1時間ほど離れたチェナ温泉に移動し、温泉につかりながら天候の回復を待ちました。最後の晩は雪上車で30分ほど激しく揺られてオーロラ鑑賞の山頂小屋に登りました。小屋に着いた頃には空が晴れ上がり360°見渡せる中、待望のオーロラが出始めました。月に照らされた雪山にかかるオーロラはまた格別でした。

アイスランド

メキシコ湾流の影響で北極圏にありながら沿岸部は冬でも-5℃を下回ることが少ないアイスランドは、移動、撮影が楽です。大きな氷河でおおわれている一方、火山活動も活発で冬も凍ることのない川が作った大きな滝は雄大です。比較的新しい島でその地形は若く、独特です。夜間滝の近くは危険なので、滝にかかるオーロラはあきらめ、氷河や雪山にかかるオーロラに集中しました。狙っていたとんがり帽子の山「キルクユッフェル」に出たオーロラは「ちょっとだけよ」と言って消えてしまいました。
ニュージーランド
ニュージーランドには写真仲間と10数回行っています。
最初は澄んだ空気と雄大な自然の写真を撮るのが目的でしたが、この数年時期をずらし星やオーロラも撮るようになりました、日本の本州北部から北海道に相当する緯度で、南半球では南極大陸と南アメリカ大陸南端以外でオーロラが良く見える陸地です。ニュージーランドで見えるのは、大きなオーロラの上部を見ているいわゆる低緯度オーロラと呼ばれるもので、赤が中心でその下に少し緑が見えます。空気がきれいで光害の少ないニュージーランドでは星もよく見え、天の川とオーロラの共演にもしばしば遭遇します。昨年念願の南島のさらに南のスチュワート島に行くことが出来、雄大な天の川、オーロラと流れ星の三者共演も撮ることが出来ました。

ロシア シベリア上空
北極圏の南縁を飛ぶヨーロッパ→日本便は絶好のオーロラ撮影のチャンスでした。ほとんどが夜行便で1万メートル以上の上空では雲にさえぎられることもなく、オーロラさえ出ていれば必ず見ることが出来ました。そのチャンスがあるときはA席(進行左=北側)を取り、窓の映り込みを防ぐ飛行機窓用忍者レフを準備し、出発直後からオーロラの様子を観察し続けます。

オーロラが出たとたん、食事も後回しにして長い時は3時間も撮り続けました。飛行機の中なので三脚も使えず手持ちで撮るしかないので、シャッタースピードを上げ連写しました。ぶれていないのは10枚に1~2枚程度でその中から、オーロラの形や飛行機の写り方のいいものを選ぶようにしました。ウクライナへの侵攻のためロシア上空を飛べなくなり、残念ながらオーロラ撮影のチャンスはなくなってしまいました。
主な撮影地でのオーロラ撮影についてとりとめもなく書かせていただきましたが、オーロラはますます私を魅了していて、今年はノルウェー ロフォーテン諸島(3~4月)、ニュージーランド(5月)、カナダ イエローナイフ(9月)に出かける予定です。その後も、興味と体力が続く限りオーロラ撮影を続けたいと思っています。
以 上
(第2報告)「カナダ・イエローナイフとアラスカ小旅行」
山本 明男
2024年8月に夫婦でカナダのイエローナイフへオーロラ観賞ツアーに出かけた。5泊6日の添乗員付き小規模(12人)グループツアーである。成田からバンクーバー空港に到着。エアーカナダの国内線に乗り換えイエローナイフ空港に到着。これから4連泊する市内のホテルに到着し、小休止。夕食後に最初のオーロラ観賞へと出発した。
イエローナイフは「オーロラの聖地」と呼ばれ、北緯60~70度にはさまれたオーロラベルトの中央に位置し、年間を通じてオーロラが現われる可能性が高い場所である。

イエローナイフ空港の壁に素晴らしいオーロラの風景写真が掲げられていたので、それと同様のオーロラが観れるのでは?と皆の期待感が高まった。イエローナイフは1930年代からゴールドラッシュで栄えたが、1990年代以降はダイヤモンドが発見され、世界有数のダイヤモンド鉱山となり、そこで働く頑強な体形の先住民達を町で多く見かけた。
ホテルで元気のよい日本人女性ローカルガイドと合流し、貸し切りバスで最初のオーロラ観賞に出発。23時頃に町の東側にある湖畔に到着し、周囲に明かりのない暗闇でじっと待機。8月とはいえ冷え込みが強く、カメラを持つ手も震え、本格的な防寒着とホカロンなどが必要だと反省! 別の湖に移動し夜中2時過ぎにうっすら青紫のオーロラが見ることができ、3時過ぎにホテルへ戻った。

2日目は遅いブランチを食べゆったり休憩。午後からはバスでイエローナイフ周辺の観光に出かけた。

世界で10番目に大きいグレート・スレーブ湖は、冬は氷結して ICE ROAD と呼ばれ、車も通れる。湖上には夏・冬利用できるレストランや宿泊施設の家があり、水上飛行機が移動手段となる。イエローナイフはカナダ・ノースウエスト準州の州都で、州立法議事堂や博物館を見学し、土産物店にも立ち寄った。イエローナイフの名前は、昔先住民が銅製のナイフを所持していたことに由来するとのこと。
23時頃からオーロラ観賞に出発。鉱山近くの広場にあるキャビンで休憩を取りながら待機。夜中過ぎから少しオーロラが見え始め、オーロラを背景に集合写真を撮影。ツアーに参加して分かったことは、オーロラは肉眼では白っぽく見えることが多いが、感度の良いカメラで写すと緑や紫、青などの色が判別でき、見え方が違う。TVや映像で観るオーロラはさらに高感度カメラでベストショットを撮影しているので、素人が頑張ってみてもその違いは歴然としている。周囲で山火事があったりするとオーロラはまったく見えず、太陽の地磁気の強さによっても見えないことも多いので、オーロラ観賞ツアーは運不運があることを自覚しておくべきである。ツアー仲間で作ったライングループの名は「あきらめない会」と命名した。
3日目の午後は有名なキャメロン滝へのハイキングに参加。途中、トウヒ雷鳥やリス、ビーバーの巣や潜水が得意な鳥アビも見ることができた。
夕方から犬ぞり世界チャンピオンとして有名な先住民のグラント氏が所有する湖畔の別荘へ移動し、野外バーベキュー。

暗くなってから待つこと2時間近く、あきらめかけていたオーロラが見え始めた。ボートで湖の波止場に帰る途中、天空に舞い降りてきたような鮮やかなオーロラが空全体に現われ、全員大騒ぎ! ソファ付きボートで寝ころびながら、30分ほど真夜中のオーロラショーを満喫した。


4日目の午後は町の郊外にあるグラント氏が経営する犬ぞりの訓練施設 Beck’s Kennels を見学。150頭のアラスカン・ハスキーを飼育している。1600kmの超絶レースに耐える犬に求められるのは、血統とトレーニング、そして餌(餌代年間2000~3000万円)。犬は生後まもなくしてから、犬ぞりのどのポジションが適しているのかをグラント氏が判断し、1頭ごとに餌を変えた個別トレーニングを行っている。雪のない時期は、専用のジープを犬たちがけん引するように、運転スピードを合わせたトレーニングを行い、犬同士の連携を確かめている。犬小屋に立ち寄ると、犬たちは一斉に大声で吠えはじめ、我先に「訓練に連れてって!」とグラント氏にラブコールをするのにビックリ!我々もグループに分かれて訓練車から元気な犬たちの活躍を体験できた。



犬ぞりレースの写真
5日目、バンクーバー空港で帰国の途につくツアーの残りメンバー達と別れ、我々夫婦はアラスカ・アンカレッジ行きのフライトに乗り換えた。妻がアメリカの高校留学したときの親友(故人)の娘家族がアンカレッジに近いホーマーに住んでおり、会いに行くのが目的である。
ホーマーは漁業と観光の町で、オヒョウ(halibut)釣りで世界的に有名。サーモンやカニ、エビ、タラなども採れ、水産加工が盛んである。ホーマーの町から約7kmの細長い砂洲(Homer Spit)が突き出ており、ここにはしゃれたレストランや土産物店、アートギャラリーなどが道路沿いに並んでいる。旅行者はここを拠点に自然と野生動物を見学するアウトドアツアーやトレッキング、シーカヤック、氷河見学ツアーなど、色々な楽しみ方ができる。



砂洲の突端にあるリゾートホテルに2泊し、親友の娘家族とホーマーの町を散策し、アートギャラリー見学や、食事・ショッピングを楽しみ、ホーマーを一望できるご家族の自宅にも招かれ、ホーマーでの生活をすこし知ることができた。ご主人は建物の壁画アーティストで、その当時はアンカレッジのビル外壁アートの最終作業中であり、帰りに立ち寄ったアラスカ・ミュージアムの中でご主人と会い、一緒に食事をすることができた。

カナダとアラスカの短い夏を違った形で楽しむことができ、想い出に残る旅であった。
以 上