
高齢化が進む日本で、女性の高齢者人口は2,045万人で女性全体の31.7%が、すでに65歳以上です(総務省統計局2020年10月)。さらに女性の半数は90歳まで生きると言われています。
そんな時代の中、シニア女性が活き活きと輝き活躍することで、日本は明るくなる!という想いのもと、「シニア女性が活き活きと輝き活躍する社会」とはどういう社会なのかという基本的な問いをベースに、これまで男性が中心だったディレクトフォース(以下DF)の中で、新たに設立された100歳社会総合研究所の活動に、女性の視点を取り入れられたらと活動を開始しました。
【1】活動状況
アンケート調査と座談会で活動の方向性を模索しました。
(1)アンケート調査
- 調査の目的:人生100年時代を迎え、働く女性が定年後・退職後も自らの人生を輝かせるために希求する生き方や課題、必要な支援を明らかにし、今後の活動に生かす。
- 調査手法:インターネットによるアンケート調査(期間:2020年4月末~5月半ば)
- 調査対象:DFには女性会員が少ないため、昭和女子大学現代ビジネス研究所研究員、日本女性技術者フォーラム会員他にも調査回答を依頼、いずれも男女、年齢を問わず有志が回答(※比較のため男性にも回答を依頼)
- 回答数:全体101名(女性70名、男性31名)
DF会員40名(女性15名、男性25名)
仮説:調査にあたって以下3つの仮説を設定
- 仮説1:新しい時代のシニア女性像 企業で働いてきた女性たちは
- ある程度経済的に余裕がある。
- 地域との関わりが希薄。
- 元気なうちはまだまだ輝きたいと思っている。
- 仮説2:シニア女性の求めている生き方
- 自分の能力を活かした社会貢献
- 一緒に活動する仲間造り
- いくつになっても成長できる、継続した学び
- 仮説3:現状の「場」の存在として、仮説2の「場」は、まだ少ない。行政や自治体、地域を巻き込んだケースを提示できれば、シニア女性が輝く社会の「モデル」となり得る。
- 調査結果:3つの仮説は全体的にほぼ支持されたが、求められるものなどは予想以上に多岐にわたっていた。
- 調査から見えてきたもの
- 理想の生き方:「企業や団体で活躍」「社会課題解決」が理想
- 理想実現に有効だったもの:
- 企業など活躍できる「場」の紹介
- 人脈(紹介してもらえる)
- 「仲間づくり」
- 「継続して学べる場」
- 現実:
- まだまだ輝きたい、活躍したいと思っている
- 一方でプライベートも充実させている
- 地域との関わりは関心度も含め予想以上に低い
- 理想と現実とのギャップ‥‥ 社会の理解不足に苦労している
- その他:
- タイア世代(60代・70代)は多くの活動を実践(理想の生き方の実現度:高い)
現役世代は将来への不安(予想実現度:低め) - 予想以上に様々な「場」が求められ、活用されている。
- 多くの活動をしている人ほど、理想の実現度が高い
- タイア世代(60代・70代)は多くの活動を実践(理想の生き方の実現度:高い)
(2)2020年10月座談会(2回実施)
目的:アンケートの深掘り座談会から
- 座談会で様々な意見が出たが想定内(=アンケート結果の範囲内)
- キーは、(多様な人をつなぐ)コミュニティ(オンライン/リアル)
- 交流から様々な活動が生まれ発展するのを支援する機能(雰囲気)が求められている
上記のアンケート調査と座談会から今後の活動方針を検討しました。
【2】ネクストプライム活動方針
(1)シンクタンク機能
- 「社会への発信」「社会への貢献」をキーワードに活動
- 「超高齢社会問題分科会」との連携
- 他団体などとの連携により、シンポジウムなどの開催
(2)コミュニティ機能
- 「ロールモデルに会う旅」
- 多様なロールモデル(サンプル)の生き方や考え方に触れ、自分の幅や視野を広げて、今後の生き方を考える
- 首都圏以外の暮らし方・働き方を知り、新たな視点や気づきを得る。また、今後の生活や仕事の選択肢として考えるきっかけともなる
- リアルに会う+旅行の楽しさ(地元のおいしい食、美しい景観など)
- 仲間と旅する楽しさやゆっくり話す機会の提供
- 緩いコミュニティ
- 数ヶ月に1度の緩いコミュニティ(座談会)を開催‥‥ そのときどきの話題
- 座談会の中で、活動プロジェクトの提案があれば支援
- 男性会員も含めて実施(特にメンターなど、男性会員に期待)