蕎麦巡りにて 十割蕎麦を楽しむ

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今回の蕎麦巡りは10月17日秋晴れの日、牛込神楽坂「蕎麦の膳 たかさご」にて11名が参加しました。

こちらのお店の蕎麦は十割手打ち蕎麦です。本日の蕎麦粉は常陸秋そばで、石抜き・磨き・粒選別・皮むき・石臼挽き・篩までの工程すべてを店内にて行っているとのことで、歯ごたえも良く素晴らしい蕎麦でした。また、汁は「生かえし」で甘みとコクと風味が絶妙でした。店主のお話で知ったのですが、十割蕎麦は、普通の蕎麦粉とは全く違った管理(湿度等)がされているそうで、「普通の蕎麦粉で十割蕎麦を打とうとしても大変だし無理(!)」とおっしゃっておられました。この管理こそがとても重要で誰でもができるわけではないけれども、「たかさご」は出来る技術を持っているというニュアンスのことを話しておられました。

この日のコース「蕎麦の膳」は先付(白和え、菊の花の酢の物、小魚のマリネ等)、椀の物、蕎麦掻き、お造り、秋刀魚の塩焼き、しんじょう、せいろう、フルーツでした。お料理はホテルオークラの「山里」で修業された4代目若主人の調理によるもので上品で洗練された内容でした。特に蕎麦掻きは、他店のものとは違ってとてもやわらかく滑らかで参加者の多くの方が口々に「これは美味しい!」と満足されていました。

こちらのお店は、明治20年頃は東京都中央区日本橋で別の屋号を名乗っていたそうです。その後港区南青山へ移り、昭和24年頃 二代目が「たかさご」の名を受け継ぎ、新宿区納戸町に移転し、さらに昭和27年頃に現在の場所である東京都新宿区中町に落ち着いたとのこと。また、三代目店主は2001年からNHK文化センターの蕎麦打ちの講師を現在まで務めておられます。この長い歴史と経験からホテルオークラとの繋がりが生まれて、毎年の大晦日にホテルオークラで振舞われる「年越しそば」は全てこちら「たかさご」のお蕎麦だそうです。

生産者との信頼関係と蕎麦粉管理の技術、そして店の味を認めて応援するお得意様があってこそ、美味しい蕎麦が受け継がれていくのかな、と市古さん、丹下さんと話しつつこの日の蕎麦巡りを締めくくりました。今回もありがとうございました。 

以 上(塚崎京子)

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