国立能楽堂 2025能楽鑑賞教室に参加
(能狂言同好会)

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6月28日(土)、千駄ヶ谷の国立能楽堂で開催された「能楽鑑賞教室」に会員と家族 計11名が参加しました。この教室は毎年、初心者でも能や狂言に親しめるよう解説と字幕付きで公演されるものです。
最初に、能楽師から能と狂言の歴史や能舞台の特徴についての説明があり、能の基本所作の指導も受けました。

狂言は、小学校の国語教科書にも載っている「附子(ぶす)」。 主(あるじ)が太郎冠者、次郎冠者に留守番を命じます。桶の中身は附子(トリカブト)という猛毒だから、決して見てはならぬと言われたのですが…、気になった二人は、恐る恐る中をのぞき、甘い砂糖と気づいて、ついに全部食べてしまいます。太郎冠者は言い訳にと、主人が大事にしている骨董品まで壊してしまうのです..!!…………!!。  よく通る発声、わかりやすい台詞、きちんとしているが滑稽な所作に、自然と笑いが出る楽しい時間が生まれていました。

休憩の後は、能「鉄輪(かなわ)」を鑑賞。夫に裏切られた女性が、呪いをかけることを願って、毎夜、貴船神社に片道4時間の距離を歩いて通いつめています。いよいよ願いがかなうという神託が出たのです。一方で、元夫は夢見が悪いことから陰陽師の安倍晴明に祈祷を頼みます。女は、鉄輪(火鉢などで使う五徳)の三つの脚に火を灯して頭に載せ、怒りの形相で現れ、夫と後妻の形代を打ち据えます。しかし、晴明が召還した神々に責め立てられ、悪鬼の霊力が衰えたことから、またの機会にあらためて、と去っていくのでした。形相、いでたちは怒りそのものですが、所作は少し抑制的な演出だったようです。

公演後は昼食をとりながら、懇親を深めました。

伝統にふれ、有意義な半日でした。

以 上(宮本幸始)

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