去る6月21日(土)に古代史研究同好会の定例会を兼ねたフィールドトリップを企画、5名の参加を得て、無事に終了しました。当日は朝9時に高崎駅に集合、レンタカーで上野三碑と呼ばれる7世紀頃に設立された群馬県甘楽地域の豪族の顕彰石碑を見学。
ヤマト王権が7世紀前半には、この地まで勢力を伸ばしていたことが良く分かりました。今で言う、中央官庁の命令書のような機能で、多胡脾には、羊(この地の豪族の名)にこの地を治めさせると、藤原不比等による命がありました。
その後、レンタカーで行田市にある「埼玉さきたま古墳群」に移動。約1時間の学芸員によるガイドツアーに参加しました。「埼玉」の語源になった地域で、多くの前方後円墳が集まっており、この地域の豪族(詳細は不明)の勢力の大きさを物語っています。
目玉は何と言っても「稲荷山古墳」。ここから発掘された刀剣に「自分は、ワカタケル大王(雄略天皇)の直属の軍人である」という旨の象嵌があり、古代史を変えた大発見です。それまで、日本書紀にはワカタケル大王の記述はあるものの、実在が確実視されていなかったものが、この発見により、5世紀までヤマト王権が遡ることが出来るようになりました。レプリカを置いてありましたが、写真で見るのとは異なり、意外と細く、よく残っていたと感銘しました。

驚きは、二子山古墳から発掘された馬の甲冑です。日本では3か所(あとは西日本)しかこのような埋葬品は無く、この地域がこのような高価なもの(半島からの輸入品)を有し、東北侵攻の最前線であったことが伺いしれます。
書物で古代史を学ぶのも大事ですが、やはり、現地で土地の雰囲気と空気感に触れることで理解が深まることを実感しました。このようなフィールドトリップはこれからも企画しますので、ご参加をお待ちしています。
以 上(植松基員)