国際研究ユニットの紹介
本ユニットは、2020年発足のDFロシア研究会がベースです。2022年に始まったウクライナをめぐる紛争から、ロシアを知るためには周辺国を知り、それらの国々から改めてロシアを見ることが不可欠な作業となってきました。そこでDFロシア研究会を改組、改名し研究対象を拡大することとしました。DFでは数少ない海外を研究対象とする本ユニットでは、年間最低1回の海外視察旅行を通して、研究を体感する活動も並行して実施します。定例会は2ヶ月に1度の割でランチを共にしながらメンバーの研究成果を中心に語り合います。ご関心の向きは代表者までご連絡をお願いいたします。
DFU第1回海外視察旅行と定例会のお知らせ
会紹介にも書いたように、現在のロシアを知るには周辺国を見ること、知ることが不可欠です。この度、DFUは連携する一般社団法人SRCと合同で中国・ハルビン、長春の視察を行い、満州国での白系ロシア人(ボリシェビキを含む)、ロシア系ユダヤ人の足跡について、視察、調査を行いました。5月17日より21日までの4泊5日の旅は、この地を何度も訪問した参加者の「目から鱗」という感想に集約されるような体験の連続でした。特にクワスというロシアを源泉とする清涼飲料水の生産で大企業となった Churin Foods の工場見学は、なぜロシア系ビジネスが満州さらには中国で大きくなることができなかったかを理解する大変有効なヒントを与えてくれました。 これらの成果を近日中に定例会で発表したいと思いますので、参加希望の方は代表者まで連絡をお願いいたします。



5月にハルビン、長春を旅してきました。長春(満州時代の新京)では何はともあれ旧満映撮影所跡を見学しました。(上の写真は訪問時に撮ったもの、下は満映本社の写真です)
ハルピンの映画
満洲に詳しい方はよくご存知と思いますが、満映(満洲映画協会)は、満洲国と満鉄(南満洲鉄道株式会社)が折半出資した国策会社で、日本側理事長をあの甘粕正彦が勤めたことや、中国人スターとして売り出した李香蘭がいたことで未だに有名です。 ただ、その政治面への注目が大きいため、映画制作についてはそれほど知られていません。 今回の旅では映画制作に焦点を当て、1937年から1945年の会社解散まで、多い年で30本もの作品が日本人監督、中国人監督のもと制作された事実に注目しました。現、中国映画産業は制作本数、興行収益共に世界2位という位置にありますが、その基盤は満映時代から続く中国人材だったと言われています。映画関連の詳細報告はキネマ通信第21号をご覧ください。
ハルピンの食
今回のハルビン訪問の目的の一つは中国東北地方の食を体験することでした。
中国料理は、その広大な国土と多様な気候・文化の違いにより、地方ごとに大きく 「八大菜系(はちだいさいけい)」 に分類されるのが一般的です。しかし、旧満洲エリアをさす東北部の料理はこの中に入りません。 東北料理が中国料理の一分野と認められた清代にはすでに八大菜系として漢民族による中華料理が出来上がっていたからだそうです。ただ、現代日本で体験する中華料理には東北料理がたくさん紹介されていて、我々日本人には珍しい体験というより、日本で食べるものの原型を見る体験、とでもいうのでしょうか、非常に懐かしさを感じるハルビンの食でした。(下の写真は左から、焼き餃子、厚焼豆腐、豆腐サラダ)



以 上(菅原信夫)