

3月17日、前日の雨から一転して晴れ。秩父鉄道長瀞駅に集合したのは、江村、佐藤、築地、浜口、三木、柳瀬、古屋の7名。10時27分、長瀞駅をスタート。昨日までの天気が嘘のように春めいた空気の中を歩き始める。程なく宝登山神社に到着。


西暦110年に創建されたと伝えられる由緒ある神社で、日本武尊が東征の際にこの地を訪れた折、突然山火事に遭遇。そのとき、神犬が現れて火を鎮めたことから、「火止山(ほどさん)」と呼ばれるようになり、後に「宝登山(ほどさん)」へと転じたとされている。ゆっくり参拝したいところだが、秩父鉄道は1時間に2本と本数が少なく、下山時刻に遅れると大変なので割愛する。
ここからは本格的な登りが始まる。とは言っても林道歩きなのが少々残念だが、雑談を交わしながら進むうちにロープウェイ山頂駅に到着。ここからが、かの有名な「宝登山梅百花園」である。臘梅は盛りを過ぎていたが、今を盛りの紅白の梅が織りなす美しい景観は、期待を裏切らない見事さだった。




さらに少し足を延ばして宝登山の山頂へ。そこからは秩父の山並みが連なる雄大な眺めが広がっていた。遠くには二子山が頭を覗かせ、正面にはうっすら雪を被った武甲山の姿、眼下には長瀞の街並みと、蛇行する荒川の流れが春の日差しを受けてきらめいている。澄みきった空気の中、時折吹き抜ける風が心地よく、自然の偉大さと静けさに心洗われるような思いがした。


山頂で昼食をとり、ここからいよいよ野上駅へ向け、通称「長瀞アルプス」と呼ばれる山道を歩くことになる。少々大げさな名前だが、出だしは急な下りから始まり、その後は適度なアップダウンの続くなか、秩父の山並を眺めながら歩ける快適な尾根道コースであり、ベテランから初心者まで人気があるのも頷ける。



皆さん軽快な足取りで、予定より30分以上も早く14時 25分野上駅に到着。おかげで1本早い電車に乗ることができ、西武秩父駅で恒例となっている入浴と打ち上げを時間に追われず和気藹々と行うことができた。
春の陽気と秩父の自然に包まれた一日。心地よい疲れとともに、また一つ思い出深い山行となった。
以上(古屋直樹)