「鎌倉学園の海外体験学習 ~ベトナム山岳少数民族村生徒との現地交流体験」講演会実施報告

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7月24日(水)に、DFスタジオ751において、鎌倉学園教諭の佐藤洋平氏が長年鎌学生徒を引率してベトナムを訪れて現地の生徒達と交流を深め、異色の体験をしている様をスライドを駆使して語って頂いた。

DFで初めての試みである当該講演会には、DF会員30名がリアルとオンラインで参加をし、好評であった。また、現地での大勢の宿泊、食事、交通などの手配を担当された福島の特定非営利法人シーエスアールスクエアの宍戸理事長と石塚専務理事も同席し、佐藤先生をサポートして頂いた。尚、佐藤教諭も同法人の理事でもあります。

当日の講演内容とQ&Aでの議論の概略を下記に記します。

 記

鎌倉学園の紹介

  1. 私立男子中高一貫校(建長寺系)
  2. 創立103年
  3. 生徒数 1,300名、教員数 100名

佐藤教諭の紹介

  1. だいじにしていること:人、本、旅そしてラグビー
  2. 学生時代はラグビー選手でバックパッカーとしてアジア諸国を巡る
    (アジア太平洋大学・出口治郎学長に影響)
  3. 秋田国体のラグビーで神奈川県が優勝した時のコーチ(2007)
  4. 理科(化学)教師(中高)
  5. 2015年初回のベトナム研修担当に手を挙げた(他にアメリカ、オーストリア)

ベトナム山岳少数民族村紹介
べトナム東北部のトゥェンクアン省ランビン郡ランカン

  1. 首都ハノイから北へ270km(高速道路を利用して車で5.5時間)
  2. 多数の少数民族が生活している
    (キン族、ターイ族、ヤオ族、サンチャイ族、モン族、ハワン族、etc.)
  3. ランカン中学校の生徒51名と交流

ベトナム研修旅行の目的

生徒のマインドセット=「資質は生まれつき」ではなく、「資質は環境によ って変化するもの」と理解するプロセス=「どうせできない」⇒「~のせい」⇒「やればできる」⇒「なるほど!」・・・before/after で生徒が劇的変化

  1. 友達創り
  2. 異文化体験
  3. 失敗経験
    ・・・の3つを通じて「新しい世界を知ること」

過去の訪問先

2022年から少数民族村生徒と交流開始し現在まで継続

2015南部チャビン・メコンデルタ(生徒20名)
2016中部タムキー・ホイアン・ハノイ(30名)
2017中部タムキー・ダナン・ホイアン(生徒25名)
2018ホーチミン・タムキー・ホイアン(62名)
2019行先は前年と同じ(27名)
2022ハノイ・ランビン(32名)
2023ハノイ・ランビン(9名)
2024ハノイ・ランビン(51名)

異文化体験

  1. 51:51でパートナー組む
  2. 日本の紹介(相撲、剣道の模範演技、ダンス、歌、etc.)
  3. アイスブレイクで、テトリスゲームやトランプに興じる
  4. 各少数民族の衣装を纏った生徒が伝統の踊りを披露、バンブーダンスも一緒に
  5. 幼稚園を訪問し、園児と共に遊び、ピアニカ寄贈

佐藤教諭の企み

  1. バンタンプロジェクト:参加生徒が「自分たちにも何かできないか?」と考え
    ⇒プロジェクトを始動
    ⇒3年間のボランティア活動や寄付集めで少数民族村に新校舎をプレゼントした
  2. トイレ支援プロジェクト
  3. SDGs同好会が中心になって、ベトナムに限らず、自分達でSDGsに貢献できることを実践する活動中
  4. シーエスアールスクエアユース:鎌学を卒業した大学生がベトナムスタディツアーを計画中
  5. 他に佐藤教諭は個人的にネパールで女子に柔道を教えたり、ラグビーで脊椎損傷した生徒を日本に治療招待したりしておられる。

宍戸シーエスアールスクエア理事長

  1. 全国各地で578回の講演を実施。ベトナムの研修旅行の話をすると、親御さんたちは必ず「自分たちの子供も行かせたい」と言う
  2. ベトナム、ラオスの山岳少数民族村に、毎年20校の学校を建設している。日本の企業や個人会員からの支援で実行中。現地へ日本の先生方も案内して交流し、体験してもらっている。

Q&A

Q1この研修旅行を通じて生徒が変わったとのこと、探求学習の成果。親や保護者の反応は?
A1好評で、むしろ保護者の方が積極的
Q2DFでも理科実験教室を年間200コマ近く実施しているが、実施後のフォローに悩んでいる。  結果は如何か?
A2まだ目立った効果は出ていないが、過去に訪問した学校では日本に関心を持つようになったり、 訪問した後に感想を書いた手紙を送って来てくれている。
Q3探究学習でSDGsをテーマに授業をしているが、それについてはどう考えるか?
A3現地に入った日本の先生が帰国して考えたテーマは「豊かさってなんだろう?」だった。将にこれだ! と賛同した。
Q4海外との大学生レベルでの交流はあるが、小中学校レベルでも交流すべきと考える。ベトナ ムは「親日国」と聞いているので、日本の将来を考えると重要だと思う。
A4全くその通りだと思う。

                                                       以 上(平井隆一)

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