6月22日(土)、千駄ヶ谷の国立能楽堂で開催された「能楽鑑賞教室」に参加しました。この教室は毎年、関東の中・高校生を主な対象に、初心者でも能や狂言に親しめるよう解説と字幕付きで公演されるものです。
最初に能楽師による能楽の解説があり、能と狂言の歴史や能舞台の特徴について説明を受けた後、能の基本所作を紹介されました。観客の私たちも「泣いていることを表す所作」などを熱心に練習しました。
続いて狂言が上演されました。「柿山伏(かきやまぶし)」という演目で、柿を食べようと畑の木に登った山伏が畑の持ち主に懲らしめられる話です。山伏がカラス、猿、鳶のものまねをする特異な所作や、よく通る発声の面白い擬音語には、場内に自然と笑いが生まれました。
休憩の後、能「安達原(あだちがはら)」を鑑賞しました。この能は福島の鬼女伝説を題材にしており、旅の山伏に親切に宿を貸した女が、秘密を覗かれたことを知り、鬼女(般若の面)となって山伏を追いかけるが、山伏の祈祷により怒りを解いていくというストーリーです。
狂言では頼りなげに描かれる山伏が、能では確かな法力を持った威厳ある存在として描かれているのが対照的でした。
鑑賞教室の休憩時間には、能楽堂内の展示室で能の面や装束などを鑑賞しました。また、公演後に昼食懇親会に移り、神村さんから日本演劇芸能史についてのミニ講義を受け、能楽の位置づけや歌舞伎との関係について歴史的理解を深めることができました。
今回も有意義な半日でした。
以 上(宮本幸始)